こんにちは。
横濱元町会計事務所の代表・松村です。
すっかり秋らしくなってきましたね。
晴れていると昼は暑いけど、朝晩は寒くて。。。
季節の変わり目は体調管理が難しいので、みなさん、風邪などには気をつけてくださいね!
今回は、前回に引き続き役員への給与のお話、役員退職金についてです。
退職にそなえる
まだ引退を考えていない社長であっても、いつかは引退する、
もしくは、何かあった場合に引退せざるを得ないリスクは、
経営上いつも考慮しておかなければなりません。
そこで、引退するときに税務上もっともリスクとなるのは、
退職金の金額設定です。
退職金は毎月受け取る給料(役員報酬)と違い、かなり高額になりますが、
退職金で老後の生活等を考えるべきものですから、税務上の課税は優遇されています。
つまり、給料よりも、退職金の方が税金は安いのです。
ここで問題になるのは、退職金の金額設定。
高い金額を支給してしまうと、税務調査で「この退職金は高いです!」と言われてしまいます。
(法律であまりにも高い役員退職金は、税金計算上の費用にできないとの規定があるのです・・・)
(役員報酬と同じで退職金すらも、自分で決めることができないのか・・・)
さて、ここでまず、退職金の金額設定に関して知っていただきたいことがあります。
役員の退職金は、次のように計算されます。
(過去の判例、裁決では他の計算方法でも認められたケースがありますが、ここでは一般的な計算方法を記載しますね)
妥当と考えられる退職金=①在任年数×②功績倍率×③最終報酬月額
この式を解説すると、
「①在任年数」は社長を何年したかです。長ければ長いほど、
会社に貢献したということで、退職金の額は増えることになります。
もちろんこの期間は操作できるものではありません。
「②功績倍率」とは、あまり聞きなれない言葉ですが、
社長でいえばだいたい「2~3」くらいが目安になります。
そして最後の「③最終報酬月額」。
これはその名の通り、引退するときの最後の月額報酬です。
例えば、社長を20年間してきて、功績倍率を3、最終月額報酬が100万円であれば、退職金は6000万円ぐらいまで
出しても、税務調査では文句言われないだろうというわけです。
ここで真面目な社長ほど、退職金で驚くことがあります。
真面目な社長は、会社のためにと、自分の報酬を抑えている場合が多いのです。
もちろん会社のことを考えれば、それはベストなのかもしれませんが、
そのまま引退してしまうと、最終報酬月額が低いので、
退職金がそれほど支給できない結果になりかねません。
これは、会社の経営が厳しくなったときに、
役員報酬を無理やり下げる場合も同じリスクがあります。
特に引退を見据えた時期からの役員報酬の設定には、気をつける必要があります。
役員報酬を変動させることには、常にリスクがあるということは、知っておいてほしい事実です。
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