こんにちは。
横濱元町会計事務所の代表・松村です。

だいぶ暖かくなってきましたね。
この時期、桜が咲いているのを見ると心癒やされます。

過ごしやすい季節ですが、確定申告時期を経て、この時期は税務調査が、多くなってきます。
調査官も確定申告の応援も一段落して自分のノルマをこなしていくためでしょう。

そんな中、今回はどの会社でもある交際費について、考えてみたいと思います。

【交際費が高すぎないかとの指摘】

調査官から「交際費が同業他社と比べて多額なので、半分にします。」という否認指摘。
これはどうなのでしょうか、というのが今回のお題です。

そもそも(接待)交際費は、同業他社と比べて多額なのであれば、
本当に経費(損金)にならないのか、というポイントです。

まず、法律では、法人における交際費をこのように定めています。

(枠内は条文の抜粋です。今回はそこまで読みづらくないので、ザッとでも読んでいただけたらと思います)

租税特別措置法第61条の4(交際費等の損金不算入)

3  ・・・交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、
  法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する
  接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために
  支出するものをいう。

つまり交際費とは、「法人が支出する経費」のうち、
「接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するもの」と、規定されています。

ですから、個人的な支出は経費(損金)にならないのは当然として、法人が支出するものであって、
それが取引先などを接待するものであれば、当然経費になるというわけです。

(ただし、損金になるための上限金額は設定されていますが)

ここから明らかであるとおり、交際費は何も同業他社と比べて高いからダメということはありえません。

要は、交際費に該当するかどうかは、法律(上記枠内)で定めた性質の支出をしているかどうかが判断基準。
金額が多いかどうかは関係ないのです。

では、なぜ調査官が同業他社と比べたがるかというと、役員報酬や役員退職金と話がごっちゃになっているからです。

(役員報酬や役員退職金は、「法律的に」同業他社と比べて異常に高い場合には、損金にならないという規定があります)

このような法律の適用関係がごっちゃになっている調査官に合わせる必要はありません。

経営者の方が交際費について考えるべきことは、あまり堅苦しく考えすぎる必要はありませんが、

1.その交際費が会社の収益向上や信頼関係を構築する上で必要であるか。

2.必要であっても使いすぎていないか(現在の会社の規模、業績とのバランスをみて偏りすぎていないか)。

ということかと思います。(みなさん十分ご承知かと思いますが)

同業他社と比べてうちが同等かではなく、その支出が生き金か死に金かが問題なのです。

交際費については同業他社と比べて多額であっても何ら問題ありませんから、調査官の誤った指摘にはきちんと反論します!

このような的外れの指摘で惑わされず、経営者の方々に本業で頑張っていただけるように税務面の情報を発信することも、税理士の役目と考えています。

内容に関する質問、自分の場合はどうなるの?などがございましたら、お気軽にご連絡ください。