こんにちは。
横濱元町会計事務所の代表・松村です。

暑い日が続きましたね。

普段水分は、食事のときにくらいしか飲みませんが、さすがに熱中症対策で少し飲むようになりました。
体が暑さに慣れていないこの時期、熱中症になりやすいみたいなので皆さんも気をつけてくださいね!!

さて、今回は税務調査の際に調査官は、どのようなことを見ているかについて考えてみたいと思います。

【調査官が見ていること】

税務調査の現場で調査官は何を見ているのでしょうか。

「税務調査なんだから、調査官は当然、帳簿や領収書などを見てるんでしょ?」

これは半分正解ですが、半分足りません。
「税務調査は、調査であって監査ではない」のです。
ここが重要です。

税務調査では、上場企業に行われるような「監査」とは異なりますが、
「ある事項をチェックして、間違いを正す」という意味で監査のようなことも行います。

例えば、本当は接待交際費に計上すべき経費を会議費に計上していたとします。

社長からすればどっちでも同じようなものかもしれませんが、税金の計算上は違います。

同じ経費でも、接待交際費であれば全額損金にすることはできないのです。

つまり、会議費を接待交際費にするだけで税金が増えます。

帳簿上会議費に計上されていたものが、本当は接待交際費だという誤りを見つけるのは、
帳簿というあるものをチェックし、間違いを見つけるのですから、
あくまでも監査の範疇ということになりますね。

しかし、「調査」はこれだけではありません。
「ないものを見つけること」を行うのも調査なのです。

例えば、現金で受け取った売上が計上されていない。
取引先から受け取ったリベートが社長個人の口座に入金されている。
架空の仕入が計上されている。

このようなものは、当初から帳簿に計上されていないのですから、
いくら帳簿をチェックしても誤りや抜け・漏れを発見することができません。

税務調査とは、ただ帳簿をめくって誤りを見つけるだけではなく、
それに加えて、帳簿にない本当の取引まで見つけようとする行為なのです。

話を戻しますが、税務調査で調査官は何を見ているのか。

帳簿や領収書など、事業の取引がわかる資料は当然ながら、
調査官が注意していることは2つあります。

(1)社長の発言

調査官は社長の発言を誘ってきます。これは、社長の発言から、帳簿にはないお金の動きや、取引の事実を発見するためです。
そのためにも、調査官に対する発言は注意すべきです。
「聞かれたことだけ答える」これが鉄則です。

(2)会社に置いている物・置いていない物

年末に取引先から送られてくる、カレンダーを使っている会社も多いはずです。
そのカレンダーには取引先名が入っているのですが、その社名が帳簿に載っていなかったらどうでしょうか?
怪しいですよね。

会社の資産になっているはずの高級車。会社の駐車場になかったら、誰でもおかしいと思います。
つまり、調査官は会社に置いている物を見て、帳簿などにないのか、
もしくは帳簿には載っているのだけれど、会社にはない物を見ているのです。

(1)は大丈夫!と思われる方が多いかもしれませんが、
(2)は十分に気をつけなければなりません。
(どちらも大事なことに変わりはありません。)

税金の世界は、世間一般から見ると、特殊と思われるような取扱いが多くあります。

最初は、調査官を警戒してあまりしゃべらなくても、慣れてくると饒舌になり、聞かれた以上のことを答えてしまう。

社長が問題ないと思って聞かれた以上にした話の内容に、
税務上問題となることがあり否認されてしまう、否認されかねなかった。

ということは実際にあります。

調査官が何を見ているか、何を知ろうとしているか。
調査の時には、思い出していただきたいものです。

内容に関する質問、自分の場合はどうなるの?などがございましたら、お気軽にご連絡ください。