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YM-Tax News Vol.8
【いきなり調査官がやってきた2】
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こんにちは。
横濱元町会計事務所の代表・松村です。
みなさんは夏はどこか行かれましたか?
私は今、妻の実家(愛知県一宮市)で
ゆっくりしているところです。
味噌煮込みうどん、味噌カツなどこちらの
料理も満喫しています!!
朝などは少し涼しくなってきましたね。
昼は相変わらずですが。。。
このあたりから、調査官も異動後のバタバタが一段落し、
本格的に調査が始まります。
今回は前回に引き続き無予告調査に関して書こうと思います。
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「無予告調査の要件」
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前回は、無予告調査の基本的な対応方法を書きました。
さて、この無予告調査は、去年までは法的な要件はありませんでしたが、
今年から法改正が行われ、無予告調査は法定化されることになりました。
***内は条文です。読み飛ばしていただいても結構です。
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国税通則法第74条の10(事前通知を要しない場合)
前条第1項(税務調査の事前通知)の規定にかかわらず、税務署長等が
調査の相手方である・・・納税義務者の申告若しくは過去の調査結果の
内容又はその営む事業内容に関する情報その他国税庁等・・・が保有する
情報に鑑み、違法又は不当な行為を容易にし、正確な課税標準等又は
税額等の把握を困難にするおそれその他国税に関する調査の
適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認める場合には、
同条第1項(税務調査の事前通知)の規定による通知を要しない。
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法律では「違法又は不当な行為を容易にし、(1)正確な課税標準等又は
税額等の把握を困難にするおそれ(2)その他国税に関する調査の適正な
遂行に支障を及ぼすおそれがあると認める場合」には、事前の予告なく
税務調査を行うと規定されました。
要するに、今後、無予告調査を行うには、
法律で定められた要件を満たす必要があるのです。
これはかなり大きな改正といえます。
なぜなら、今までは税務署の勝手な判断で無予告調査ができていたものが、
要件を満たさなければできなくなったからです。
では具体的に、無予告調査をする要件というのは
どのようなものなのでしょうか?
上記の法律に関する通達では、具体的要件を記載しています(一部のみ抜粋)。
***内は、通達です。今度は(2)以降は、読みやすいと思いますので、
読んでいただければと思います((2)、(3)だけでもお読みください)。
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(「違法又は不当な行為を容易にし、正確な課税標準等又は税額等の
把握を困難にするおそれ」があると認める場合の例示)
4-9 法第74条の10に規定する「違法又は不当な行為を容易にし、正確な
課税標準等又は税額等の把握を困難にするおそれ」があると認める場合とは、
例えば、次の(1)から(5)までに掲げるような場合をいう。
(1)事前通知をすることにより、納税義務者において、法第127条第2号又は
同条第3号に掲げる行為を行うことを助長することが合理的に推認される場合。
(2)事前通知をすることにより、納税義務者において、調査の実施を
困難にすることを意図し逃亡することが合理的に推認される場合。
(3)事前通知をすることにより、納税義務者において、調査に必要な
帳簿書類その他の物件を破棄し、移動し、隠匿し、改ざんし、変造し、
又は偽造することが合理的に推認される場合。
(4)事前通知をすることにより、納税義務者において、過去の違法又は
不当な行為の発見を困難にする目的で、質問検査等を行う時点において
適正な記帳又は書類の適正な記載と保存を行っている状態を作出することが
合理的に推認される場合。
(5)事前通知をすることにより、納税義務者において、その使用人その他の
従業者若しくは取引先又はその他の第三者に対し、上記(1)から(4)までに
掲げる行為を行うよう、又は調査への協力を控えるよう要請する(強要し、
買収し又は共謀することを含む。)ことが合理的に推認される場合。
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いかがでしょうか?去年までの税務調査では、「なぜこの会社が
無予告調査なの?」と思われる事案があったのですが、今年から上記のとおり、
かなり悪いことをしているもしくはするだろうという見込みがなければ
無予告調査は行わないことになったのです。
ちなみに法律はもちろん、通達は調査官が守らなければならない規則です。
無予告調査に入られた場合は、***内に記載した通達のどの要件の通致しているか、
調査官に確認することが必要です。
他の税理士の話ですが、無予告調査が行われたとき要件を確認すると調査官は
要件の存在自体知らなかったという事例もあったようです。
案外そのような調査官もいるので、この要件の確認は非常に重要であることは
覚えておいてください。
前回も書きましたが、無予告調査はまず、社長が対応することになります。
少し難しい内容となってしまいましたが、
(1)無予告調査を税務署が行うには法的要件がある(今回のメルマガ)
(2)税務調査は断ることはできないが日程調整は可能(前回のメルマガ)
ということだけでも知っておいていただきたいものです。
あとは税理士がしっかり対応します!!
内容に関する質問、自分の場合はどうなるの?などがございましたら
matsumura@y-motomachi.jpまでご連絡ください。
本メールマガジンをお読みいただきまして、ありがとうございました。
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横濱元町会計事務所
代表・税理士
松村 一朗
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